ご主人様はお医者様
そんな私の視線に気が付いたのか、その女医さん見せつけるように彬の腰に腕を回した。
彬は手を振り払うこともしない。
なっ、なんでっ!?
……と思ったら、今度は私の肩に沢木さんの手が置かれて、引き寄せられる。
「及川さん、いい?ここに今、話している患者さんのデータが……」
パソコンの画面を息のかかる距離で説明される。
せっかくなんですけど、私それどころじゃないんです。
しかも、この距離・・・ちかっ!!
視線を元に戻すと、彬が冷ややかな目で私を見ていた。