ご主人様はお医者様


そばにいた沢木さんは私の様子に心配そうに声を掛けてくれる。



「及川さん、大丈夫?体調不良なら外来受診してきたら」


「いえ、大丈夫です。スタッフルームに戻って薬飲んできます」



カバンから頭痛薬を取り出して冷たい水で流し込む。



「最悪の一日かも……」



そう呟いて仕事に戻ろうとドアを開けると、目の前には彬が立っていた。



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