ご主人様はお医者様


「あ…きら……」


「小春、ちょっと来い」



私の腕を掴んで、空いている病室へ押し込む。



「ねえ、仕事中だよ」



私は彬と目を合わせないように病室を出ようとする。


今、話したら喧嘩になりそう・・・


そんな私を引き寄せて、ひんやりとした大きな手で私の頬に触れる。



「朝からずっと気になってた。体調が悪いのか……」




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