ご主人様はお医者様
沢木さんは、私の指輪を見つめながらこういった。
「指輪はただの偶然…そう思っていたけど今日空床の病室に君と高木先生が入っていくのを見たんだ。
で、さっき君がとっさに高木先生の名前を呼んだ。
すべてがつながった……」
「今日……病室……」
みられてたんだ――!!
いつもなら院内でプライベートに会うときは、お互いに細心の注意を払ってる。
でも、今日は体調が悪かったし彬も当直明け。
そして、カナダ行のことがあって、誰かに見られてるとかなんて考える余裕がなかったんだよね・・・