ご主人様はお医者様
そういうと、彬はニヤリと笑う。
自身に満ちた笑み
プライドの高い彬らしい表情――、
この顔が好き――……。
でも、こんな風に強引なのはちょっと・・・
「……小春?誰と一緒だった」
「しょ、職場の……」
「沢木か」
ううっ…ばれてる!!
「…ごめんなさ……きゃっ」
私の体はベットの上に投げ出され、ひんやりとしたシーツに全身が沈む。
思わずつむった瞳を開けると、目の前に彬の顔があった。
「堂々と浮気か」
「ちがうっ、だって彬が……」
「学会の件黙ってたからか」
「そう……しかもあの時怒って出て行っちゃったじゃない。
だから帰りたくなくて…」
「はーーっ」
彬はやれやれとでも言うようにため息を吐いた。