ご主人様はお医者様


「怒ってたのは小春だろう?

朝、あんな形で発表されるなんて知らなかったんだ。

ちゃんと俺から話すつもりだった」


「でも、平賀先生と2人っきりで海外なんてやっぱりヤダっ!!」


「仕事だろう、それ以上何もない」


「でも、でも平賀先生はそうじゃないかもしれないじゃない!!」




――あーあ……自分で言ってて呆れるくらいの、子供じみた発言・・・


でも、心配で仕方がない。


沢木さんも平賀先生は本気だって言ってたし!!


彬はそんな私を見下ろしたままこう言った。



「小春、明日の勤務はなんだ?」


「あ、明日は休み…」


「奇遇だな、俺もだ」



――奇遇って…知ってたくせに!!!!



「じゃあ、時間はたっぷりある」


「な、何するのっ!?」


「小春は俺のことが信用できないらしい…だから、俺がお前をどれだけ好きか解らせてやるよ」



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