ご主人様はお医者様


エレベーターに乗ると、緊張が解けたのかその場に座り込んでしまった私。



「おい。大丈夫か?」



彬は心配して私を抱き起こした。



「……大丈夫……でも、一時はどうなることかと」


「疑ったのか?俺のこと」



彬は不機嫌そうな声で言う。



「え?そ、そりゃあんな写真見せられたら誰だって騙されると思うけど!?」



私は、必死で弁解したつもりだったのに……、



「小春は何年ナースやってるんだ?」



彬はやれやれとでも言うようにため息を吐く。


「エコーを見たらカナダで出来た子供じゃないって事くらい見抜けてたからああなることくらい想像できていたんだけどな」




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