ご主人様はお医者様
「ああ、待ってた。そこに座って」
私は言われた通にパイプベッドに腰を下ろした。
カーテンが引かれた薄暗い個室。
私は緊張をごまかすために、今朝の森先生とのやり取りを勢いよく話した。
「はっきりと何かを言われた訳じゃないなら放って置けばいい」
と、冷静な返答。
「はい……、あそうだお弁当を作って来たんです。お腹すきま……」
「少し黙って」
私の言葉を遮る様に一言そう言った。
先生はゆっくりと近寄り、私の横に座る。
それと同時に、ベッドがギシッと音を立てて軋んだ。