ご主人様はお医者様

「タイミング悪すぎ」


彬はバツが悪そうにクスリと笑った。


それからどちらともなく体を離すとエレベーターを降りた。



彬、このまま仕事の戻るのかな……。

もう少しだけ彬といられたら。

心の中でそう考えていた。



「小春?休憩時間あとどれくらい?」



彬は私にそう聞いてきた。



「え?あと30分くらい」



私がそう答えると、彬は私の手を引いて非常階段へ出た。







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