ご主人様はお医者様


その瞬間、平賀先生の手からブーケが投げられて弧を描いて飛ぶ――。



「「きゃぁーーーー!!!!」」



ワッと集まる人の頭上を飛び越えて、私の目の前に落ちてきた。



――うそっ!!!!



私は思わず両手を広げて受け止めた。



“パサッ”



飛び込んできたブーケを握りしめると、平賀先生は私に向かってピースサインを出した。




「わぁ、私…もらっちゃった」



突然のことに、しばし呆然・・・


そんな私の後ろから彬が覗き込んで耳元でこう囁く。



「次の花嫁は小春だね」


「ええっ!?」


「ばか、声がでかい!!……ん?何んだカード?」




そういわれてブーケに視線を落とすと、中にメッセージカードが挟まれていた。








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