ご主人様はお医者様
息のかかる距離に先生の顔があって、
私の心臓はバクバクと音を立てる。
「……ハル、オヤスミ」
えっ……?
オヤスミ!?
先生はゴロリと私の膝に頭を乗せて横になった。
「あのっ……せんせ……」
「あれから救外手伝いに行ってて、寝てないんだ」
「だからって」
「いいだろ、使用人はご主人様の言うことは聞くもんだ。
それにこの方がよくねむれ……る……」
寝ちゃった――…。
朝の申し送りで、先生は呼び出されてから朝方まで、処置に終われていたと聞かされた。
それから休まずに救急外来の手伝いだなんて……。
そりゃ、疲れるよね。
だったら、
ひざ枕くらいなら良いかな……、なんて思ってしまった。