ご主人様はお医者様
私は、暫くそのまま呆然としていた。
夢で見たキスはまさか本当に本物!?
そっと唇を指でなぞる。
『家に帰ったらいくらでも……』
「いくらでもって!!うそでしょ……」
だって、私は使用人ではあるけど、先生の彼女ではない訳だし?
でも、迫られたら拒否権なさそうだし。
でも、実はそれほど嫌じゃなかったり。
……とっ、とにかく仕事に戻らなくっちゃ!!!!
私はそっと仮眠室のドアを開けて、廊下に誰もいないことを確認する。
「よし!!」
それから急いで病棟へ戻った。