ご主人様はお医者様



マンションに帰ると、お風呂を洗って夕飯の準備に取り掛かった。


野菜を切ってお皿に並べて、一応割り下らしきものも作って見た。


「うん、いい感じ!!」


テーブルにはランチョンマットを敷いて、食器棚から和食器を選んで並べた。


スーパーの店員さんに、和食に合うと勧められたワインも準備したし……。


早く帰ってこないかな?


先生――――。




時計を見ると、まだ20時。


もう少ししたらお風呂を入れよう!!






……でも、


先生は一向に帰ってくる気配が無い。


もしかして、オペが長引いているのかも……。



よくあること――…。



先生は今まで、2・3日病院に寝泊りなんてしょっちゅうだった。


常に病棟にいてくれる先生の存在はありがたかったし、今までは、そんな先生を「大変だな」位にしか思ってなかった。


なのに……、


こうして待ってると、早く帰ってきて欲しいと思ってしまう。


なんて我ままなんだろう……私。

< 42 / 304 >

この作品をシェア

pagetop