ご主人様はお医者様



ジュウッと小気味良い音がして、割り下の焦げたいい香りが広がる。



「……うん、おいしい。ハルは食べないの?」


「えっ、でも私は……」


「使用人って言ってもさ、そこまで求めてないよ。いいから、ここに座って一緒に食べよう」


「でも……」


「じゃあ、ご主人様命令!!ってのはどう?」


「はいっ!!」


「フッ、超うれしそうな『はい』だな」



そっ、そんな……まるで食いしん坊みたいじゃないですか!!



「クスッ、食いしん坊……」



ほら、やっぱり~~!!



「ち、ちがいます!!」



先生と一緒に食べるのがうれしかったの!!!!


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