ご主人様はお医者様


「ありがとうございます。先生」



私がそう言うと、先生は不思議そうな顔で私を見つめる。



「どうしたの?急に改まって」


「借金返してもらってすごく感謝してます。正直、使用人なんて戸惑ってたけど、こんなふうに優しくしてもらっていいのかな……なんて」


「もっと酷い扱いされるとでも?」


「はい……」


あ゛っ、つい本音がっ!!!!


「ふーん俺、そんな酷い男?
じゃあ、せっかくだから遠慮なくいろいろ言い付けてみようかな?」



先生は意地悪そうに笑った。



「や、いいえ!!ウソです、ウソっ!!
そんなこと考えてなかったですっ!!」



慌てふためく私を面白そうに眺めながら、先生はこう言った。



「じゃあ、風呂でも一緒に入ってもらおうか?」


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