ご主人様はお医者様



「先生は1人で頑張りすぎです。もっと、他人に甘えるべきです」



私の言葉に、先生は驚いたように顔を上げた。



「そして、もっと私たちナースを信頼してください。大丈夫です。ちゃんと患者さんの事、見ていますから。
そりゃ、しょっちゅう先生のピッチを鳴らしてるのは事実ですけど、家にいる時くらい仕事の事忘れたらどうですか?」


「そうだな、確かに……でも」



でも……、か。

きっと、先生は忘れるなんて出来ないんだろうな……。



「それが無理なら、今夜くらいぐっすり眠りましょう?
私、膝枕でも、添い寝でも何でもしますから!!」


「……ありがとう、ハル」



その言葉と、


先生の唇が重なったのは同時で……、


きつく抱き寄せられた体は、一気に熱を帯びて私の鼓動を早める。




「せん……せっ。んっ」




何度も重なる唇――、


パジャマの薄い布地を通して伝わる先生の胸の鼓動。


先生もドキドキしてる……の――?


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