ご主人様はお医者様
朝食を食べ終わると、出勤の準備をしてマンションを出た。
もちろん先生と時間差で……、
エントランスを出るときに思い切りキョロキョロする自分が虚しい。
森先生には絶対に会いません様に!!!!
自転車が通り過ぎるたびに、顔を隠す厳戒態勢……。
そうこうしているうちに――
無事に病院へ到着した私。
ロッカーで白衣に着替えて病棟へ向かう。
B1から職員用のエレベータに乗ると、2階で高木先生と他の先生たちが乗り込んできた。
一緒に乗っていたナース達は黄色い声で挨拶する。
「「高木先生~、おはようございまーす」」
「おはよう」
そういいながら、ニッコリと微笑んじゃったりして……。
「「キャーーーッ」」
「今日、超ラッキー」
「うんうん、一日頑張れる!!」
他の先生が苦笑いする中、1人平然と階数表示を見つめている。
そして、先生と私は6階でエレベーターを降りた。
一緒に降りただけなのに、私に注がれるナース達の痛い視線……。
恐るべし、高木人気…………。
今更だけど、すごい人と暮らしてるんだ。
私――…。