ご主人様はお医者様
気がついたら、300万の借金を残して失踪――。
……で、その返済を私がしてるって訳。
本当についてない。
トホホな人生だよ…………。
と、そこへマネージャが私の席へやってきた。
「ハルちゃん、ここはいいからあちらのテーブルヘルプについてくれる?」
「あ、はーーい」
指差されたのはVIPルーム。
うわ、この不景気にVIPルーム??
私は思わずため息を吐いた。
だって、あそこに入るお客さんってそれなりに地位のある人だったりで、結構めんどくさい。