ご主人様はお医者様

携帯の呼出し音がピタリと止む。


訪れた静寂――。


私は静かに目を閉じる。


さっきバスルームで抵抗しないと決めた覚悟を、もう一度するだけのこと…………。


そう、ご褒美でもお仕置きでもどちらでもよかったんだ。


だって、


先生の求めに応じるのが仕事でしょう――?







ううん、


違う――そうじゃない。


これは義務じゃない。


……だから私は、


私を見下ろしている先生の首筋に手を伸ばして、


そっと自分に引き寄せたの――――……





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