ご主人様はお医者様
楽しいドライブはあっという間。
病院のそばで私を降ろした先生は、そのまま駐車場へ。
どうにか間に合ったけど、やっぱり朝はちゃんと起きるべきです!!!!
ロッカーで着替えて病棟へ向かう。
先生はすでにパソコンの前に座って患者さんの情報収集をしていた。
「おはようございます」
「ああ、及川さん。おはよう」
思わず、朝の出来事を思い出してしまう私……。
顔、赤くなってないよね!?
先生はチラリと私を見て、またパソコンの画面に視線を戻した。
そんな先生のことを目で追ってしまう。
誰も知らない先生との関係。
職場では、赤の他人、
家では私のご主人様――。
先生と私――ご主人様……と使用人。
私の気持ちを伝えてからも、その関係は何もかわらないまま。
ただ、慌ただしい毎日が過ぎて行った。
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