ご主人様はお医者様
19時ぎりぎりの指定されたバーへ着いた。
店の中に入ると、森先生が私に気付いて手を振っている。
「及川さん、こっちこっち!」
駆け寄ってみると、まだ他の人たちの姿はなかった。
「あれ、みんなは?」
「うん。誰も来ないよ」
「まだ来ないんですか」
「じゃなくて、僕と君だけ」
「お疲れ様会って……」
「会だけど、2人じゃダメ?」
そういって、森先生はニッコリとに笑った。
「私……か」
「帰る前に、聞いて欲しいことがあるんだ。少しでいいから時間くれない?」