ご主人様はお医者様
森先生は動揺する私をジッと見つめて、ゆっくりと私に問いかける。
「及川さんはそんなに高木先生が好きなの!?」
「先生?何を言ってるんですか?どういう意味分らな……」
「いずれ捨てられちゃうって分ってても好きなの!?」
いずれ捨てられる――――……!?
「捨てられるって……そんなデタラメ」
思わず口調を強めて反論。
そんな私をなだめるように、うんと優しい口調でこう話す。
「デタラメじゃないよ?少し前の休みに、高木先生は帝都ホテルにいた。そこで何をしてたか……とか」
「どうして森先生がそのことを知っているんですか!!?」
「聞きたい!?なら、もう少し飲んでからにしようか」
そういいながら、森先生はウエイターを呼んでカクテルを注文した。