ご主人様はお医者様



これからは先生の傍で眠るのも、こうして家事をするのも



――私じゃない



そう思ったら、やっぱり涙が溢れて止まらない。


バカみたい、私。


勝手に好きになって、


恋人気分で先生のお世話なんかしちゃってさ……、


多分先生は、私のことを使用人として意外の感情はもってなかったんだと思う。


お金で雇った使用人――。


先生の言った『スキ』は、きっと恋人にしたいとかそういうものじゃなったんだ。



私、もうここにはいられないよ――…。



いたら辛いだけ。



契約期間までここには居られない。




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