ご主人様はお医者様
平謝りする私に森先生はこう言った。
「そんなことより、告白の返事が欲しいんだけど!?」
「告白…あ、あの」
「ま、今すぐにじゃ無くてもいいんだ。またご飯でも食べに行こう。じゃ、僕もう帰るし。鍵返してもらえる!?」
そういって森先生は手のひらを差し出した。
「あ、そうでした」
私は白衣のポケットからマンションの鍵を取り出して手の上に乗せた。
「それじゃ、お疲れ様」
「はい、お疲れ様でした」
階段を降りて行く森先生を見つめながらため息を一つつく。
病棟へもどろうと振り向くと――、
そこには高木先生が立っていた。