田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
「神父様~こんにちは!神父様~」

シィエ達が呼ぶ声に教会の奥から笑顔で神父様が現れた

神父様はまだ幼い女の子二人を前にしてうなづきながら口を開く

「来たな…二人とも」

神父様は今日ふたりがどんな用で来たのかはわかっていた

神父様もまたおとやん同様に幼い娘達が奉公に出なければならない現実に心をいためておりました

男手は兵隊として国に取られ貧しい田舎ではくいぶちを減らすために泣く泣く娘を手放す

神父様は親の涙も子の涙も嫌というほど見てきていたのです
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