田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
シイエ達はバラックで新しい生活を始めた

初義の骨を拾いシイエが重い口を開いた

「あんた…ごめん…私が守れなくて、それにはるちゃんも…どこ探しても見つけきらんやった…ごめんなさい」

様々な想いからシイエはまた涙がこぼれた

「仕方なか…原爆で無事でおることの方が奇跡たい…済んだ事ば言わんでよか…先の事ば考えんば」

先のこと…

着るものも食べるものもなく

先の事はまったく見えなかった
< 117 / 202 >

この作品をシェア

pagetop