田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
政雄は苦悩する

自分は人を愛してはならない人間だと考えるようになり人が伴侶を見つける二十代という時代をひとりで過ごした

政雄は初五郎ゆずりの端正な顔だちに仲間を大事にする人柄で好意を寄せる女性も多かった

何度かの出会いを自分の中で押し殺してきた

幾度となく受けてきた差別

政雄は誰かを愛しても一緒になるとその女性を不幸にする

もし生まれて来た子供に手足がなかったら…

そこにまで考えは及んでいた
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