田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
10代の春
春は香りから始まる
今日も潮の香りが心地よい海風となり黄色い段々畑を吹き上げてゆく
ぽかぽかと暖かくなったそんな春の日でした
「シィエー、シィエー」
シィエを呼ぶおかやんの声が聞こえる
「シィエー!あの子はまた仕事ほったらかしてどこ行ったか、もうオナゴてゆうとに男んこのごと山さ飛んでさらいてから野菜もなんもできたもんじゃなか」
シィエは八人兄妹の下から二番目の子である
まだ十代前半今で言えば中学生になる前の世代だ
自然に囲まれた環境で幼さ残るシィエに家の事を考えろと言うのが無理な話ではなかろうか…
今日も潮の香りが心地よい海風となり黄色い段々畑を吹き上げてゆく
ぽかぽかと暖かくなったそんな春の日でした
「シィエー、シィエー」
シィエを呼ぶおかやんの声が聞こえる
「シィエー!あの子はまた仕事ほったらかしてどこ行ったか、もうオナゴてゆうとに男んこのごと山さ飛んでさらいてから野菜もなんもできたもんじゃなか」
シィエは八人兄妹の下から二番目の子である
まだ十代前半今で言えば中学生になる前の世代だ
自然に囲まれた環境で幼さ残るシィエに家の事を考えろと言うのが無理な話ではなかろうか…