田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
二人で頭を痛めていると店先から声がした

「ただいま戻りました」

「番頭さん、ちょっとこっちへいいかしら」

「はい、なにか?」

番頭さんはめったに奥座敷には入らないので随分手前で返事をしてしまった

「ちょっと入って」

「はい失礼します」

なんだかこの部屋はいい香りがして落ち着かない

そんなことを考えながらも二人の様子から番頭さんは何か問題が起きた事を悟る
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