田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
喜ぶシィエにおかやんは切り出した

「なあシィエよう聞いてな。長崎の花屋さんにシィエば奉公に出さんかて話が役場の助役さんからきとるとさね…どがんするね?嫌やったら家におってよかとよ?」

おかやんが話終わるまえにシイエは叫んだ

「絶対いく!」

奉公がどのようなものかもわからず無邪気にはしゃぐシィエを案ずるおかやんの気持ちなど知るよしもなくシィエは続けた

「ね、おかやん!うち花屋さんにいきたか!行くけんね」

「よかとね?花屋さんばってん奉公さ行くとぞ?楽しかばかりじゃなかとよ…」

「よかよか!うちは体強かし力持ちやけんどげんでもよか!花ばいっぱい見たか」

おかやんはますます心配になり、奉公に出すつもりで話を切り出したもののなぜか行かないように説得をしているような格好になってしまった
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