田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
学校へ行ける…自分が学校へいけるのだ…シイエ達は繰り返し繰り返し嬉しさを口にした

ある日曜日奥様は二人を連れて百貨店を訪れる

服や鞄など学校に行くために必要な物を全て揃えてくれた

夢のようだった

しばらく「奉公人」という立場を忘れてしまいそうなぴかぴかの宝物達に囲まれている

姉達が行った店ではこんな事してもらった話など聞いたことがない…

姉達は時々苦しげな表情でシイエの元を訪れる

奥様はそんな姉達にいつもみやげを持たせてくれる

シイエはそれが申し訳なかった…

姉達も大事ではあるが、もう来なければいいと思う事もあった

シイエはその分たくさんお店のために働いた
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