田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
学校へは奥様が一緒に行ってくれた

「よろしくお願いします」

奉公人の自分達のために先生に頭を下げてくれる奥様をみて二人は頑張らなければと思った

二人は同じクラスに入り始めはもじもじして皆からキョロキョロ見られた

「奉公人のくせに学校来てよかとか!働け」

覚悟はしていた反応だがヨッコちゃんは泣きそうだ

その点勝ち気なシイエは違う

相手が金持ちだろうが自分より体が大きな男の子だろうが自分が正しいと思った事は遠慮せずに言葉にしていく

何日か経過した頃にはシイエ達の周りには常に笑いが絶えないようになっていた

長崎の子供が知らない田舎での遊びの話が皆をひきつけていく

二人の学校生活は充実していった

シイエ達は学校も仕事も一生懸命にこなした

せめて奥様に恥ずかしい思いをさせないように

自分達は立派な人間にならなければいけない

お世話になっている「花幸」のためにも
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