田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
初産の喜び
正月がきてシイエのお腹の子も随分大きくなった
産み月まではまだ暇があったためシイエはお産の準備や店の仕事に追われていた
やがて臨月を迎える
昭和20年6月にシイエは元気な男の子を出産した
手伝いに来ていたおかやんがふざける
「あら?また男の子やかね」
「またって…おかやん…うちは初めてやけんね」
「そうやった、三人目かと思うたばい」
そばにいた皆が大笑いをした
産後の回復も早く生まれた赤ん坊も二か月を迎える頃には丸々と太っていた
赤ん坊を見た初義は
「かわいかね、おかあちゃん!はっちゃんとおんなじ名前ばつけて」
とシイエの袖を引っ張って懇願した
シイエも自分が産んだ息子と分け隔てなく育てたい想いから初義から一字とり
義輝
そう名付けたのだった
政雄も初義も義輝をとてもよく可愛がった
新しい家族を交えて幸せな時間が流れていた
産み月まではまだ暇があったためシイエはお産の準備や店の仕事に追われていた
やがて臨月を迎える
昭和20年6月にシイエは元気な男の子を出産した
手伝いに来ていたおかやんがふざける
「あら?また男の子やかね」
「またって…おかやん…うちは初めてやけんね」
「そうやった、三人目かと思うたばい」
そばにいた皆が大笑いをした
産後の回復も早く生まれた赤ん坊も二か月を迎える頃には丸々と太っていた
赤ん坊を見た初義は
「かわいかね、おかあちゃん!はっちゃんとおんなじ名前ばつけて」
とシイエの袖を引っ張って懇願した
シイエも自分が産んだ息子と分け隔てなく育てたい想いから初義から一字とり
義輝
そう名付けたのだった
政雄も初義も義輝をとてもよく可愛がった
新しい家族を交えて幸せな時間が流れていた