田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
泣き声を頼りに義輝を探す
確かにそばにいたはずだ
泣き声は床下から聞こえていた
シイエは狂ったように瓦礫を掻き分け義輝を引っ張り出した
まだ生まれて二か月の義輝は首が座っていない
義輝の首は背中につくかというくらいに曲がってしまっていた
慎重に首に手を添えると義輝は大きな声で泣き始めた
政雄は…初義は…はるさんは…
シイエはちからの限り名を呼び続けた
木の上にいた二人が下に落ちうずくまっているのが見えた
シイエはいそいで二人の元へ這っていった
確かにそばにいたはずだ
泣き声は床下から聞こえていた
シイエは狂ったように瓦礫を掻き分け義輝を引っ張り出した
まだ生まれて二か月の義輝は首が座っていない
義輝の首は背中につくかというくらいに曲がってしまっていた
慎重に首に手を添えると義輝は大きな声で泣き始めた
政雄は…初義は…はるさんは…
シイエはちからの限り名を呼び続けた
木の上にいた二人が下に落ちうずくまっているのが見えた
シイエはいそいで二人の元へ這っていった