田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
シイエは壕の外から聞こえる子守歌に吸い寄せられるようにフラフラと外に出た

原爆が落ちてどのくらい経ったのだろう

外に赤ん坊をあやす女性の姿があった

同じ境遇だとシイエは話かけようと近寄るが…

赤ん坊の頭には木ぎれが突き刺さりすでに皮膚は紫に変色して死んでからいくらか時間が経っているようだった

初老の男性が彼女に近付き何やら話している

彼女は赤ん坊を取られると思い必死で赤ん坊を抱き締める

男性がしゃがみ込み優しく話す

「奥さん…この子は暑くてかわいそうだね…綺麗にしてあげよう」

そう言ってようやく赤ん坊を女性から受け取った

赤ん坊は周りにいた人々が丁重に葬った
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