田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
このままここに居ても自分らもあの人のようになる

息子も死んでしまうかもしれない

そんな思いにかられシイエは立山の病院を目指した

息子二人を抱えて歩ける政雄を励ましながら病院を目指す

「少し川で休んでいこうか…」

土手から川を覗き込む

川には水面が見えないくらいにおびただしい数の遺体が折り重なっていた

「喉が渇いとるとやろね」

そうつぶやく政雄もあまりの現実に思考が麻痺しはじめていたのかもしれない

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