田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
病院の様子は悲惨なものだった

動けない家族に付き添い皆一様に体から次々にわき出す蛆をつまんで捨てている

身元がわからない遺体はうずたかく積まれ連日連夜とても原始的な方法で焼かれた

ボロを着たお坊さんらしき人が唱えるお経と怪我人の呻き声

あとは家族を亡くした者の泣き叫ぶ声

シイエはもう何を見ても平然としていた

シイエ自身もこの時はまともではなかったのだ
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