好きな気持ちが溢れて

反応できない、慣れてないから

何も言えない、なんて答え方がわからないから

求められている正答はなに?

一体何と返したら正解になるんだろう


「どう、ってどういうことですか?」

もっと早くからすればよかった真意の確認をしようと口を開く

「優さんに対してだよ」

でも質問の内容を繰り返されただけ

これじゃあ結局意味はない

「それだけじゃバイトの良い先輩だってくらいしか答えられないですよ」

意見したらまた生意気だって言われるだろうか、でも草島さんみたいに癒しを感じてるわけじゃない俺にはこれ以上抱く思いはない

「そう、」

望み通りの答えができていたのかそうだよなと呟いて離れようとする

「ちょ、待って」

え、それだけ?

草島さんは解決したかもしれないけどこっちのモヤモヤは解消しない

聞いた理由がわからない

解決した疑問がわからない

でもどうやら聞く権利はないみたいだ

じっと睨みつける眼が聞くなと訴えかける

客席掃いてくるとちり取り、箒を手にカウンターの外へ向かう足が止まって振り返った



「スネーク」

「…はい?」

「間違っても、優さんに惚れんなよ?」



また疑問が増えた

またモヤモヤが増えた

この人の考えがいつか理解出来る日が来るんだろうか
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