好きな気持ちが溢れて
命じられるがまま温めたパンの片方にケチャップ、キャベツ、肉を乗せて紙で包む
提供する商品の生産部署であるをプロダクトを始めてから今までで1番早く出来上がったのは命の危機さえ感じたからだろう
こんな口が裂けても香織さんには言えない言葉を飲み込んで完成したハンバーガーを手渡しすると持っていたトレーに乗せた
任務完了、ほっと胸を撫で下ろす
「お疲れ様。じゃあ、休憩いただきまーす」
……ん?
冷蔵庫に手をつく俺の横を何事もないかのように擦り抜けていこうとするから呼び止める
「あれ香織さん、それお客様にじゃ」
ないんですか、と聞き終わる前に私の昼食だよとトレーを指差した
ハンバーガーにポテトに飲み物、デザートにアップルパイまであるそのセットは数分後にはキレイに平らげられるであろう香織さんの昼食なのか
「え、お客様にじゃないなら何であんなに急かしたんですか!?」
「んー、ちゃんと先輩の話を聞いてなかったバ・ツ☆」
無邪気にウインクされて呆気に取られると笑いながら裏口から従業員控室へと消えていった
ぶっちゃけまだ頭は混乱しててついていってない
でも、まぁ、
「よかったかな、逆に」