+S+
10分後、ようやく別世界から帰還した私はとりあえずダッシュでその場を離れ、門のところで足を止めた。


それにしてもカッコいい先輩だったな……。
キレイでしなやかな薄い茶色の髪。優しく甘い目にちょうどいい大きさの鼻。高い背。
悪いところが全く見つからなかった。


「あんな人がいるんだねぇ…」
「どんな人?」

「えっ!?」


突然背後から聞こえた声に振り向くと、そこには懐かしい顔があった。


「みっ、美桜!」

「きゃーっ久しぶり琴里♪」


ぎゅーっと抱きついてくるこの美少女は私の大親友の美桜。

実は私がこの学園に入学出来たのは美桜のおかげなんだ。


「美桜~本当にありがとね?」
「え?あぁ、『招待状』?」

「そう!」


なぜ美桜のおかげなのかというと、その『招待状』を美桜が私にくれたから。

『招待状』は美桜が宮古原学園中等部の文化祭で行われたミスコンで獲得したもの。

その『招待状』をもらった私は簡単な試験と面接だけで入学することができた。
しかも学費は全額免除!
一般家庭のうちに宮古原学園の学費を払う余裕はなく、こんなことでもないと到底入学なんてできなかった。
だから美桜には感謝してもしきれないんだ。

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