優しさに甘えて






マンションの屋上でフェンスを乗り越え立った



あと、一歩踏み出せば…



『……もういいよね…あたし…楽になっても』



優しい顔で微笑むお父さんを思い浮べた




目を閉じ踏み出そうとした時




── バンッ




屋上の扉が勢いよく開く

そして懐かしい声



『結乃…』



この声が愛しいと思った瞬間だった





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