逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
「ん?どした?咲下も女子のとこに並んで?」
ありがとう……橘くん。
「うん、わかった」
あたしは笑顔を見せる。
「橘~!気合い入ってんじゃーん!」
そう言って、久保寺くんが橘くんの肩を抱き、ニヤニヤしている。
「なんだよ、くぼっち」
「俺はてっきり、橘は合唱コンやる気ないんだと思ってたぞっ。みんなから指揮者に選ばれたときも、めんどくさがってたしさっ」
橘くんが指揮者になったんだ。
「俺はやると決めたらやんの」
「くぅーカッコつけちゃって~。うぇいうぇーい」
「うっせ。くぼっちも早く並べよ」
「へーい。朝から俺の美声をたっぷり聞かせてあげますよ~」
久保寺くんはご機嫌だった。
「みんなー!合唱コン優勝したら、どこで打ち上げやるー?」
「くぼっち、気ぃ早すぎ!」
クラスのみんなから突っ込まれる久保寺くん。
あたしと橘くんは、お互いの顔を見て微笑んだ。
いつも見ていた光景を思い出した。
このクラス、やっぱりいいな。
このクラスで卒業したかったな。