逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



教室でひとり、窓の外の青い空を見つめる。



陽太くんの手が

あたしに触れても。



あんな近くに

目の前に



陽太くんの顔があっても。



視線がぶつかっても。



何も感じなかった……。



その理由はわかってる。



ドキドキするのも

胸がぎゅうってなるのも



触れたいと思うのも



全部、全部。



橘くんだけだから。



あたしの“好き”は



あたしのすべては



いまも……きっとこれからも



橘くんでいっぱいなんだと思う。



でも、どうしてだろう。



いままでのあたしなら、きっと男の子に対して



苦手だとか嫌悪感を感じてしまいそうな行動も、



陽太くんに対して何も感じないかわりに、



別に嫌だとも思わなかった。
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