逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
――――――……
夜の8時半すぎ。
あたしは、お風呂から上がってタオルで髪を乾かしながら、2階の自分の部屋に戻った。
床の上に布団を敷いて、その上にゴロンと寝っ転がる。
「はぁ……」
父親は毎日帰りが遅いため、ほとんど顔を合わせなくて済む。
でもあの人と、のえるとは、毎日朝も夜も顔を合わせて、一緒にご飯を食べなくてはいけない。
あと1年と少し。それまでの我慢。
「我慢だよ……」
ボーッと部屋の天井を見つめる。
そういえば宿題やらなきゃな……。
「よっと」
あたしは起き上がって、カバンの中から教科書とノートを取り出す。
「あれ……?」
星砂のキーホルダーがない。
ブレザーのポケットだっけ?
確かめるけど、ない。
もう一度カバンの中を見るけど、やっぱりない。
うそ……。
無くした……?
どこかで……落とした……?
どうしよう。
あたしの大切な……橘くんからもらった大切な物なのに……!