逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
「人の物を平気で盗むなんて……さすが親子、そっくりですね」
あたしも彼女を睨みつける。
「何が言いたいの……?あんな幼い子を泣かせて、何とも思わない?血の繋がった妹でしょ?」
何とも思わないわけない。
叩かれた頬より、ずっと胸の方が痛い。
のえるに大声なんて出したくなかった。
でも怖かった。
また大切なものを奪われそうで……。
あたしは冷静でいられなかった。
「黙ってないで何か言いなさいっ!」
「だったら……あなたは何も思わなかったんですか?」
「え……?」
「お母さんと幼いあたしから父親を奪って、家庭を壊して。何とも思わなかったんですか?」
「何度言えばわかるの?私がお父さんを取ったんじゃないわ」
「あなたは何も悪くない?あの時、何も感じなかった?」
彼女はあたしの質問には答えずに、大きくため息をつく。
「これだけは覚えておいて。今度あの子に何かしたら、ただじゃおかないわよ」
「ふふっ……ただじゃおかないって、一体どうするんです?あたしを殺します?そんならいま殺せば!?」