逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
――――――……
午後の授業をサボって、俺はひとり屋上で寝っ転がっていた。
“本当は誰にも、心を開いてないよね……?”
授業中に、吉野から言われた言葉。
そんなこと考えたこともなかったけど、
いま思えば……少し前までの俺は、そうだったかもしれないな……。
でもいまは違う。
本当に大切な人の前では、ちゃんと自分の心を見せられるようになった……。
綺麗な青い空をボーッと見つめる。
白い雲が浮かぶ中、飛行機がゆっくりと飛んでいくのが見えた。
俺は仰向けに寝たまま、ブレザーのポケットの中からケータイを取り出して、空にかざした。
ケータイの画面に青空が写る。
――カシャッ。
俺はケータイで撮った写真を見つめた。
「なーに撮ったの?」