逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
「ふ~ん。飛行機ねぇ。でもちゃーんとハートの雲も写ってますけどぉ~?」
くぼっちはニコッと笑って、俺にケータイの画面を見せてくる。
「……知らねーし……たまたまじゃね?」
「照れちゃってぇ……。咲下と両想いになれるといいわね~?」
満面の笑みを見せるくぼっちに、俺は呆れて目を細める。
「ケータイ返せよ。写真消すから」
俺は、くぼっちの手からケータイを取り上げる。
「消さなくたっていいじゃん。俺も撮っとこうかなぁ~ハートの雲の写真」
「くぼっちは彼女と両想いじゃん」
「てへっ」
いいね。幸せそうで。
「橘もさ、咲下のことはもう諦めて、更紗ちゃんと付き合っちゃえば?」
「はぁ?」
「授業中も手なんか握っちゃって?も~!こっちがドキドキしたわ~」
「手なんか握ってねぇし。消しゴム忘れたっていうから……。つーかなんで、そうなんの?」
「更紗ちゃんはまだやっぱり、おまえのこと好きだと思うけど?」
ふざけてたくせに、急に真剣な顔になるくぼっち。