逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



俺はため息をついて、あお向けに寝っ転がり空を見つめた。



「勝手なこと言ってんなよなぁ……ったく。吉野にも失礼だよ」



「だって席替えのときさぁ、俺がおまえと席かわろうとしたら更紗ちゃんに俺、すっげぇ睨まれたんだぞ?気づかなかった?」



「知らねーよ」



「天然のフリした小悪魔な更紗ちゃんは、なかなか手強いかもよ?」



なんだそれ……天然のフリした小悪魔って。



「吉野が友達として仲良くしたいって言ってきたんだぞ?俺のことは、もう何とも思ってねぇって。ただの友達」



「はいはい、友達ね。琉生くんには、愛しの咲下さんがいらっしゃいますもんね~?」



愛しの咲下さんって……。



「そんなに好き?咲下のどこが、そんなにいいの?」



その言葉に、俺はギロッとくぼっちを睨んだ。



「いや別に悪い意味じゃなくて……。ただおまえが……普通に好きっていうだけには見えないから……」



「じゃあ、どう見えんの……?」



「うーん。そう聞かれると難しいけど……あ、ほら、あれだよ」



「なに?」



「男ってさ、よく初恋を忘れられないとか言うじゃん?なんか……すげぇ特別な感じ?」



「……だって俺の初恋、咲下だもん」



俺の言葉にくぼっちは一瞬、黙り込んだ。
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