逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
・月と太陽
――――――……
翌日。
放課後、陽葵ちゃんがうちのクラスにやってきた。
「凜ちゃーん!おーいっ」
教室のドアのところで陽葵ちゃんが手を振っている。
「陽葵ちゃん」
あたしは席を立ち上がって、陽葵ちゃんの元へ駆け寄っていく。
「どしたの?陽太なら、もう部活に行っちゃったけど……」
「お兄ちゃんやなくて、凜ちゃんに話があるんよ。一緒に帰らん?」
「話?いいよ。ちょっと待ってて。カバン取ってくる」
あたしは席に戻ってカバンを持ち、陽葵ちゃんの元へ戻った。
「行こっか」
「うんっ」
陽葵ちゃんと廊下を並んで歩いていく。
普段、陽葵ちゃんと一緒に帰ることは、ほとんどない。
朝は陽太の自転車の後ろに乗って登校してくる陽葵ちゃんだけど、放課後はいつも彼氏と一緒に帰っている。
陽葵ちゃんの彼氏は、陽葵ちゃんと同じクラスの2年生の男の子。
「陽葵ちゃん、今日は彼氏と一緒に帰らなくていいの?」
「ええの。ケンカしたんよ」
「えー?ケンカ?」
あたしに話って、彼氏とケンカしたことかな?
それとも……昨日のこと……?