逢いたい夜は、涙星に君を想うから。

・星砂のキーホルダー



――――――……



朝から、バス停に向かって猛ダッシュしている。



あたしの名前は、咲下 凜(さきした りん)。



家からバスで15分のところにある北十字高校に通う2年生。



――ブォォォンン……。



「ハァ、ハァ……っ……あーあ……」



走り去っていくバスを見つめながら、歩道の真ん中で立ちつくす。



次のバスが来るのを待っていたら、完全に遅刻だ。



遅刻をしたら、昼休みに担任の先生からの長い説教が待っている。



走っていくしかない。



朝から最悪……。



――ギギーッ。



後ろから自転車のブレーキ音が聞こえて、あたしは振り向いた。



「咲下?」



「あ……橘くん」



自転車に乗っている彼の名前は、橘 琉生(たちばな るい)。



あたしと同じ2年3組のクラスメート。
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